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矯正治療の期間に影響を与える要因

歯列矯正における治療期間は、患者ごとの症例や使用する矯正装置によって異なります。一般的に、矯正治療の期間は 6ヶ月〜3年 程度とされますが、以下の要因によって変動します。

  1. 不正咬合の種類と重症度
    • 軽度の歯列不正:6ヶ月〜1年程度
    • 中等度の不正咬合:1年半〜2年半程度
    • 重度の不正咬合:2年以上
  2. 矯正方法
    • マウスピース矯正(インビザライン・クリアコレクト):約1年〜2年
    • ワイヤー矯正(メタル・セラミックブラケット):約1年半〜3年
    • 部分矯正:3ヶ月〜1年
    • 外科矯正(顎変形症を伴う治療):2年以上
  3. 年齢(骨の成長と代謝)
    • 若年者(成長期):骨の代謝が活発なため、治療期間が短縮されやすい。
    • 成人(成長完了後):骨密度が高いため歯の移動が遅くなる傾向がある。
  4. 歯の移動速度
    • 矯正治療では、歯は 1ヶ月に約0.5mm〜1.0mm 程度移動するとされる。
    • 適切な矯正力を持続的に加えることで、効率的な歯の移動が可能。
  5. 患者の協力度
    • マウスピース矯正では 1日20時間以上の装着 を守らなければ計画通りに進まない。
    • ワイヤー矯正では、定期的な通院とゴムの使用などを適切に行うことが重要。

矯正治療の段階と必要期間

1. 診断・治療計画の策定(1ヶ月程度)

矯正治療を開始する前に、詳細な診断と治療計画を策定する必要があります。

  • 精密検査(パノラマX線、CT、iTeroスキャンなど)
  • 治療計画の立案と説明
  • 矯正装置の作成(マウスピースやブラケットの製作)

2. 歯の移動期間(6ヶ月〜3年)

実際に歯を移動させる期間であり、治療の中心となる段階です。

マウスピース矯正の期間

  • 軽度の不正咬合:6ヶ月〜1年
  • 中等度の不正咬合:1年〜2年
  • 重度の不正咬合:2年以上
  • 1枚のアライナーで0.2mm〜0.25mm移動するため、1ヶ月あたり0.5mm〜1.0mmの移動が目安。

ワイヤー矯正の期間

  • 軽度の不正咬合:1年〜1年半
  • 中等度の不正咬合:1年半〜2年半
  • 重度の不正咬合:2年以上

部分矯正の期間

  • 前歯のみの軽度な矯正:3ヶ月〜6ヶ月
  • 軽度の歯列不正:6ヶ月〜1年

3. 保定期間(1年以上)

矯正治療終了後、歯は元の位置に戻ろうとする「後戻り(Relapse)」を防ぐために、リテーナー(保定装置)を装着する必要があります。

  • 固定式リテーナー:前歯の裏側にワイヤーを固定し、長期間歯を保持。
  • 取り外し式リテーナー:透明なマウスピース型やプレート型のリテーナーを使用し、1日12時間以上の装着が推奨される。
  • 保定期間の目安
    • 矯正期間が1年の場合 → 保定期間1年以上
    • 矯正期間が2年以上の場合 → 保定期間2年以上

矯正期間を短縮する方法

1. マウスピース矯正の適切な装着時間を守る

  • 1日20〜22時間装着し、食事や歯磨き以外は外さない。
  • 指定された交換スケジュールを守る。

2. 追加装置の併用(ゴム、アタッチメント)

  • エラスティック(ゴム)を使用することで、効率的に歯を移動させる。
  • アタッチメントを装着することで、歯の回転や複雑な移動を補助。

3. 加速矯正(オルソパルス、MOPs)

  • オルソパルス(OrthoPulse):近赤外線(NIR)を用いた低レベルレーザー療法で、細胞活性を高めて歯の移動を促進。
  • マイクロオステオパーフォレーション(MOPs):歯槽骨に微小な穴を開け、骨のリモデリングを加速。

4. 定期的な通院を守る

  • ワイヤー矯正の場合、約4〜6週間ごとの調整が必要。
  • マウスピース矯正の場合、進捗確認と新しいアライナーの受け取りが必要。

まとめ

矯正治療の期間は、不正咬合の種類、矯正方法、年齢、骨密度、患者の協力度によって変動します。一般的には 6ヶ月〜3年 の治療期間が必要となり、その後 1年以上の保定期間 を経て歯の安定を図ります。

マウスピース矯正では、1日20時間以上の装着を守り、追加装置(ゴム、アタッチメント)を適切に使用することで、治療期間の短縮が可能です。また、加速矯正(オルソパルスやMOPs)を併用することで、よりスムーズな歯の移動が期待できます。

矯正治療の成功には、適切な治療計画と患者の積極的な協力が不可欠です。計画通りに進めることで、効率的に歯を動かし、理想的な歯並びを実現することができます。